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事務局だより 2025年3月号

日視連令和6年度第3回全国団体長会議の報告

理事長 宇和野康弘
標記の会議が去る2月10日に開催され、オンラインで参加しましたので、報告します。主な議事は(1)人権啓発講演会等に対応する講師の養成について。(2)令和7年度事業計画及び運動方針についてでした。 人権啓発講演会とは視覚障害の理解・啓発を目的に児童・生徒、地域住民、会社や自治体職員などを対象に行う講演会のことです。人権啓発講演会等に対応する講師の養成については、趣旨説明の後に加盟団体に対して行った視覚障害者の人権啓発講演会等の実施状況に関するアンケートの結果が報告されました。それによると回答のあった56団体のうち人権啓発講演会等を自ら開催または講師を派遣したことがあると回答したのは24団体(42.9%)でしたが、一方、講師の派遣依頼を受けた団体は56団体の半数以上に上り、依頼に対応しきれていない実態がみられました。派遣していない理由には対応できる講師がいない、開催費用の確保が難しいなどが多く上げられました。宮城県視障協は本部・情報センター合わせてこの1年間に11回講師を派遣しました。日視連では講師の養成や講演会の事例集の作成を行い、各地域でアピールすれば講師派遣が広がる可能性があると考えて、講師養成用のテキストと講演会用のマニュアルを作成し、その説明と意見交換を行いました。その中では、子どもを対象とする場合、成人を対象とする場合の内容の検討、心のバリアフリー、点字やICTの活用の実態、代筆・代読支援の必要性を伝えることが重要であること、また、アイマスクを使うときに不必要に怖いと感じさせない工夫、限られた時間で話す際の工夫が必要との意見が出されました。 令和7年度の事業計画及び運動方針(案)については、取り上げる項目の紹介の後で事前に寄せられた意見が読み上げられました。その主な内容は、横行するタッチパネル装置の代替装置を設置する、点訳及び音訳の有償化を図る(人手不足解消のため)、読書バリアフリーを出版界に働きかける、ガイドヘルパーの報酬単価を引き上げる、あはき就労に関して同意書撤廃運動を盛り込む、盲学校の専門性を高め盲学校教育と合わせてインクルーシブ教育の支援も充実するといったもの。そのほか、鉄道無人駅ホームの安全対策として、列車乗務員によるサポート、ホーム中央の誘導ブロック設置、階段音声装置の普及、エレベーターの位置を示す音サインの検討を国に強く働きかけるといった内容が「理事からの要望書」として提出され、その趣旨説明がありました。これに関連して、ホーム中央の誘導ブロック設置については反対意見があり、必ずしも日視連の統一見解とはいえないことが執行部より説明されました。 また、JBニュースにおいて日視連の活動や日視連が参加する中央省庁の審議会等の報告をより早く発信すべきとの意見がありました。
 

日視連令和6年度中央情勢報告から(2)

竹下会長による報告の要旨を先月号に引き続き掲載します。内容は令和6年11月2日時点のものです。また、日視連からこの報告の全文による音楽CD版とテキスト版が送られてきています。希望者には郵送またはメールでお送りしますのでご連絡ください。なお、音楽CD版と同じ内容の音声ファイルをYouTubeで公開しています。キーワードで「日視連 中央情勢報告 ユーチューブ」で検索できます。

7.あはきについて 6月には報酬改定が行われ、マッサージの保険取り扱いに関しては、1局所100円という大きな増額が実現しました。さらには、もう1つ大きな動きとして10月から施術における取り扱いが変わったことです。これまで「往療」という名前で訪問治療が行われていましたが、これが10月から2つの類型に分かれました。計画的に治療に出向く「訪問施術」と、臨時的・緊急時に出向いて行う往療施術」の2類型です。この変更を学習して経営にうまく活かしていただければと思います。もう1つ、マイナ保険証を読み取り機で読み取って、資格確認をすることができない場合は、例外的にそれを視覚障害のあるあはき師には義務付けないことが認められました。

8.マイナ保険証の利用について 視覚障害者がマイナ保険証を持って病院の窓口に行った時に、読み取り機ではなくて、病院の職員が本人の顔とマイナ保険証の顔を目で見て資格確認する目視確認が認められています。しかし、これが実施されていないところもあるので、厚労省と引き続き話し合いを続けていきます。

9.セルフレジについて スーパーなどのセルフレジや飲食店などのセルフオーダーの件は最も身近な問題ですが、これに対する答えは今のところ残念ながら解決策が十分に示されているとは言えません。この点はどうしても解決しないと日常生活そのものが非常に不便になるということははっきりしているので、引き続き国と交渉していきたいと思っています。

10.移動のバリアフリーについて 移動のバリアフリーの問題では、バリアフリー法に基づく指針作りが重要です。ごく最近では、踏切における点字ブロックの設置ガイドラインが作られました。また、新しいタイプの信号機高度化PICS設置にあたっては、音響信号機が無くなるのではないかという懸念が一時起こりましたが、警察庁は高度化PICSを設置する場合には、必ずその信号機は従来の信号機との組み合わせで進めるということを言っていただいています。  今年に入ってから、横断歩道の白線の幅がこれまでよりも広げられるという話が出てきた時に「それは困る」という声が弱視の方々から日視連に寄せられました。それで早速、警察庁とこの問題で話し合いをもちました。その結果、視覚障害者用の信号機とか、そういうものが十分に整備されている横断歩道だけ白線の幅を広げ、そうでない横断歩道ではやらないということで解決をみました。このように交通環境の整備にあたっては地域の団体と話し合いをして進めていただくよう繰り返し警察庁にはお願いしています。

11.新紙幣について これまで紙幣を改定する度に視覚障害者にとってわかりやすくなるよう常に財務省、金融庁にはお願いしてきました。今回の改定で識別マークは触ってわかるところまできたというふうに率直に思っています。それから、弱視の方でもびっくりするほど数字が大きくなり、わかりやすい表記になったそうです。

12.一般就労について  一般就労で一番大きな動きとなったのは、この4月1日から職場介助者の支援が充実した事です。事務系で働く視覚障害者については職場介助者が年間を通じて配置されるようになっていますが、今年4月からは非事務系すなわち、はり・きゅう・マッサージのような仕事をしている人達に対しては、これまでは月2回、年間24回という非常に制限された範囲でしか職場介助者の援助は受けられませんでした。これを改善することがようやく受け入れられまして、事務系と全く同じように、はり・きゅう・マッサージという仕事で病院に勤めていたり、あるいは治療院に勤めている視覚障害あはき師に対して、月に12~13回、年間で言いますと150回という範囲内で職場介助者が配置されるようになりました。これは本当に大きな朗報であります。これから先、視覚障害者のあはきの未来像を考える上では、大きな前進ではなかったのかなというふうに思っております。このことを、ぜひぜひ皆さんも意識していただいて、今後のあはきの職場作りというものに活かしていただいたらありがたいなと思っております。

13.教育とスポーツの問題について  教育の分野でも日視連は、ここ数年間いくつかの動きを積み重ねてきました。1つはプログラム教育です。国はデジタル化を促進するために、小学校、中学校の全ての学年の段階で、プログラムができるようにする取り組みをしています。でも視覚障害者にとって分かりやすいプログラミングというのはどうすればいいのかということについては、十分な教材もまだないと言っても言い過ぎではありません。この件について、東北学院大学の教授や学生さんが力を貸して何回目かの講座を行っております。これを公的なものにしていきたいということで、8月に文科大臣に直接お会いすることができ、申し入れをしました。それで、文科省も少しこの事で考え始めてくれているようであります。文科省で大臣面談をしたときに、ブラインドスポーツの取り組みについてもお願いをしてきました。盲学校だけではなく、統合教育を受けてる皆さんも、体育の時間が見学になってしまわないように、あるいは中途視覚障害者もブラインドスポーツというものを知っていただき、体を動かす機会を作る、安全にスポーツができるという形でブラインドスポーツをもう一度広げたいということもお願いをしてきました。このことについても、早速スポーツ庁が少しどういうことができるかを検討してくれているようであります。

令和7年度行事予定と収支予算について

去る2月15日(土)に開催された第301回理事会で令和7年度の事業計画案と予算案が承認されました。

(1)協会本部の予算額は18,024,000円、情報センターの予算 額は61,391,000円、合計79,415,000円になります。

(2)協会本部の主な年間行事予定は次の通りです。
4月 各地域団体総会
5月 9日(金)監査会(福祉センター)、第302回理事会(情報センター)
5月18日(日)第27回宮城県・仙台市障害者卓球大会(青葉体育館)
5月24日(土)第86回評議員会、第303回理事会(情報センター)
5月25日(日)~26日(月)第78回全国視覚障害者福祉大会(千葉大会)
5月31日(土)~6月1日(日)第25回全国障害者スポーツ大会ブラインドベースボール(グランドソフトボール)競技北海道・東北地区予選大会(青森県)
7月19日(土)東視連第1回役員会(福島市)
7月20日(日)~21日(月・祝)第19回東北ブロック視覚障害者STT大会
7月25日(金)第1回中途視覚障害者緊急生活支援相談会登米市(手帳保有者188名)
9月 3日(水)~4日(木)第71回全国視覚障害女性研修大会(新潟県)
9月14日(日)~15日(月・祝)第71回全国視覚障害青年研修大会(愛知県)
9月20日(土)第304回理事会(福祉センター)
10月 5日(日)第19回宮城県視覚障害者福祉大会(情報センター)
10月17日(金)第2回中途視覚障害者緊急生活支援相談会 栗原市 (手帳保有者215名)
11月 9日(日)~10日(月)第62回東北視覚障害者福祉大会(福島大会)
12月13日(土)第305回理事会(福祉センター)
令和8年
2月14日(土)第306回理事会(福祉センター)
3月 1日(日)地域団体代表者会議、女性部長会議(情報センター)
3月 7日(土)第3回東視連役員会(福島市)
3月 初旬  日視連女性協議会全国委員会並びに全国代表者会議 (東京都)

視覚障害者家庭・社会生活訓練会を協会本部主催および地域団体 主催で開催、毎月の事務局会議、必要に応じて各委員会理事懇談会を開催

宮城県ブラインドベースボールチームの活動について

令和7年度 宮城県ブラインドベースボール(グランドソフトボール)チームの活動の予定をお知らせします。 5月31日(土)~6月1日(日)第25回全国障害者スポーツ大会ブラインドベースボール(グランドソフトボール)競技北海道・東北地区予選大会(青森県)・10月開催の全国障害者スポーツ大会、11月中旬開催の全日本選手権大会の出場を目指し日々練習に励んでいます。 つきましては、一緒に競技を楽しんでくれるメンバーを随時募集しております。少しでも興味のある方々のご連絡をお待ちしています。是非宜しくお願い致します。

ご協力ありがとうございます(敬称略)

「書き損じ及び未使用ハガキ回収事業」報告
(令和7年2月1日~2月28日受付分)

個人(5名)
(仙台市) 4名
(多賀城市) 1名

小学校(48校)
(仙台市)折立 南光台 旭丘 吉成 東二番丁 台原 鶴谷 向山 連坊小路 
(石巻市)山下 大街道 北村 中津山第一
(気仙沼市)唐桑 鹿折 九条 新城
(白石市)白石第一 深谷
(角田市)桜 北郷
(多賀城市)八幡
(岩沼市)岩沼南
(登米市)津山 米川 西郷 
(栗原市)志波姫 高清水 栗駒 
(東松島市)大塩 大曲 
(大崎市)田尻 古川第一 鹿島台
(富谷市)富ヶ丘
(柴田町)船迫 
(川崎町)川崎
(亘理町)荒浜 
(山元町)山下
(利府町)青山 
(大和町)吉岡 落合 
(大衡村)大衡
(加美町)広原(美里町)南郷 北浦(南三陸町)伊里前 入谷

中学校(10校)
(石巻市)河南西
(気仙沼市)階上
(多賀城市)多賀城
(栗原市)志波姫
(東松島市)鳴瀬未来
(大崎市)三本木 古川黎明
(大河原町)金ケ瀬
(柴田町)槻木
(丸森町)丸森

高校(3校)
南郷
鹿島台商業
石巻工業

支援学校(7校)
聴覚支援小牛田 船岡 聴覚 秋保かがやき 女川 角田 小牛田

貸し出します

貸し出しご希望の方は協会事務局 電話022-257-2022へお申し込み下さい。
日視連発行
(1)点字厚生 第307号 令和7年1月20日発行
(2)点字日本 第638号 2025年2月1日発行
(3)声の広報 厚生 第293号(デイジー版)2025年1・2月
(4) 日本視覚障害者団体連合 女性協議会の歩み(第3号)
   (平成27年度~令和6年度) 点字・墨字・CD(TXT)

  

本の紹介

理事 及川 篤生
題名 「2月は、サピエはメンテナンスの時期。」  
会員の皆さん、こんにちは協会理事の及川篤生です。毎年2月はサピエの大規模メンテナンスの時期。前もってメンテナンス中に聴く本をダウンロードしていましたが、僕は月に80冊程度聴くので全く足りません。そこで、サピエ以外の音声コンテンツを利用して日常の暇をつぶしました。今月はそうした音声コンテンツについて紹介したいと思います。
まずは、皆さんもやっているであろうユーチューブ。自分の好みに合った内容を提示してくれるので楽ちんですね。ただ、やたらと広告が入るのが不満と言えば不満。
テレビの見逃し配信も活用。民放のティーバーとNHKオンデマンド基本的に1週間以内のコンテンツですがドラマなどは音声解説版などもあったりしてかなり便利。  ここまでは、無料の配信システムですが、僕はアマゾンのプライムビデオを利用しています。月額は700円くらいだったかな。過去の作品を会員特典として無料で配信しています。僕の青春の基本コンテンツ「機動戦士ガンダム」のシリーズも多数が無料配信。物によっては200円くらいの追加料金が取られますが以前にレンタルビデオ屋に行って借りたり、返したりという手間をやっていたと思えばとんでもなく簡単に済みます。検索も音声入力対応なのでスマホで文字を打つのが苦手な方でも大丈夫。例によって、吉高由里子で音声検索。何本かの映画とドラマが無料で楽しめました。音声解説はさすがについていないのでネットであらすじを理解してから、配信を聴きました。
最後にそれなりに普及しているであろうAIスピーカー。僕の好みに合わせた音楽を提供してくれます。掃除中や洗濯物を干しながら聴くのがいいですね。一部のアーチストは制限がかかっていて配信されませんがそれは、まあ、仕方がないということで。他にもラジオの無料配信などが結構利用できます。ご自分の生活スタイルや好みに合わせて試してみるとちょっと日常の生活が豊かになると思いませんか?サピエでダウンロードした本をしっかり聞くのも楽しいですが普段の聞き流しの内容を充実させるのもいいと思いますよ。パソコンやスマートフォンを使える方ならば初めの登録作業で晴眼の方のお手伝いをお願いできれば後は、一人で十分使えます。まずは無料のものから試してみてはいかがでしょうか。