日視連令和6年度第3回全国団体長会議の報告
理事長 宇和野康弘
標記の会議が去る2月10日に開催され、オンラインで参加しましたので、報告します。主な議事は(1)人権啓発講演会等に対応する講師の養成について。(2)令和7年度事業計画及び運動方針についてでした。
人権啓発講演会とは視覚障害の理解・啓発を目的に児童・生徒、地域住民、会社や自治体職員などを対象に行う講演会のことです。人権啓発講演会等に対応する講師の養成については、趣旨説明の後に加盟団体に対して行った視覚障害者の人権啓発講演会等の実施状況に関するアンケートの結果が報告されました。それによると回答のあった56団体のうち人権啓発講演会等を自ら開催または講師を派遣したことがあると回答したのは24団体(42.9%)でしたが、一方、講師の派遣依頼を受けた団体は56団体の半数以上に上り、依頼に対応しきれていない実態がみられました。派遣していない理由には対応できる講師がいない、開催費用の確保が難しいなどが多く上げられました。宮城県視障協は本部・情報センター合わせてこの1年間に11回講師を派遣しました。日視連では講師の養成や講演会の事例集の作成を行い、各地域でアピールすれば講師派遣が広がる可能性があると考えて、講師養成用のテキストと講演会用のマニュアルを作成し、その説明と意見交換を行いました。その中では、子どもを対象とする場合、成人を対象とする場合の内容の検討、心のバリアフリー、点字やICTの活用の実態、代筆・代読支援の必要性を伝えることが重要であること、また、アイマスクを使うときに不必要に怖いと感じさせない工夫、限られた時間で話す際の工夫が必要との意見が出されました。
令和7年度の事業計画及び運動方針(案)については、取り上げる項目の紹介の後で事前に寄せられた意見が読み上げられました。その主な内容は、横行するタッチパネル装置の代替装置を設置する、点訳及び音訳の有償化を図る(人手不足解消のため)、読書バリアフリーを出版界に働きかける、ガイドヘルパーの報酬単価を引き上げる、あはき就労に関して同意書撤廃運動を盛り込む、盲学校の専門性を高め盲学校教育と合わせてインクルーシブ教育の支援も充実するといったもの。そのほか、鉄道無人駅ホームの安全対策として、列車乗務員によるサポート、ホーム中央の誘導ブロック設置、階段音声装置の普及、エレベーターの位置を示す音サインの検討を国に強く働きかけるといった内容が「理事からの要望書」として提出され、その趣旨説明がありました。これに関連して、ホーム中央の誘導ブロック設置については反対意見があり、必ずしも日視連の統一見解とはいえないことが執行部より説明されました。
また、JBニュースにおいて日視連の活動や日視連が参加する中央省庁の審議会等の報告をより早く発信すべきとの意見がありました。