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事務局だより 2025年10月号

第71回全国視覚障害女性研修大会新潟大会の報告

女性部 佐藤 純子
9月3日~4日、例年にみない、酷暑の中、新潟県新潟市にある、ユニゾンプラザを会場にして、延べ300人を超える参加者のもと盛大に開催されました。初日の午前中には、全国代表者会議が行われ、特に各ブロック提出議題について、活発な意見交換がなされました。午後からはレポート発表があり、今回のテーマ『視覚障害、あるある、あんなことこんなこと失敗談や、それを乗り越えて』について6名の方が発表しました。
私は、同じ弱視の立場で、発表した方に共感を覚えました。
次に、講演を聞きました。講師は教員であり、コミュニケーション学に力を注いでいる五十嵐紀子氏で、テーマは 『がんによって、得た自由、自分を開放する力』でした。自分が、がんに罹患したことを「キャンサーギフト(*)」と前向きに捉え、人生のパートナーとの出会い、信頼できる主治医との関係性などについて話されました。話すことは、放すこと、とおっしゃっていた事が、特に印象的でした。脳へと転移がわかったあとは、周りの人に頼りながらも、自分を主張していく大切さについても話されていました。
さて、来年第72回の大会は、9月3日・4日の日程で、兵庫県神戸市を会場に開催される予定です。
※キャンサーギフトとは、がんになったことによって得られた新たな視点や出会い、感謝する出来事を指します。  
     

日視連の弱視部会意見交換会の資料から

第7回オンライン意見交換会「安全に歩くために必要なこと」
(1)ハード面の改善
①屋内の構造
建物内の壁と床が同じ色だと見づらいので、壁と床の間に、例えば違う色の巾木を設置する、角を別の色にするなどの工夫をしてほしい。 廊下等を真っ直ぐ進めるようにするため、床に白線のような目印を敷設してほしい。また、天井の蛍光灯を活用し、直進方向を誘導するようにもしてほしい。
②バリアフリーチェック
ここ最近、公共施設を新たに作る時は、地域の障害者を呼んでバリアフリーチェックを行うことがある。その際は、資料に掲載した写真データではなく、なるべく現地で使用状態に近い環境で確認させてほしい。例えば、最近の写真は暗い場所もきれいに撮影できるので、写真上の見た目は明るく映っていても、実際は暗いことがある。
(2)ソフト面の改善
①啓発活動、人権教育
世間では点字ブロックの意味や必要性をしっかりと理解している人は少ない。また、危ない自転車の運転とか、建物の廊下の端に荷物を置くことなどは、人々の意識を変えれば改善できることかもしれない。こういった視覚障害者にとっての困り事を、社会にどう伝えていくかは悩ましい課題だが、視覚障害者から積極的に啓発活動を行う必要があるのではないか。
自転車を利用する人に、道路交通法の教育を徹底してほしい。また、朝晩の通勤時間帯は、多くの人が行き交うので、白杖を持っていてもぶつかることがあり、こういったことをなくすための教育が必要だと思う。特に、中学生や高校生等の子供や若い人への教育を浸透させてほしい。福祉教育と組み合わせて実施するのがよいのではないか。
(3)アプリや機器等の活用
①アプリ
交差点等の横断歩道の横断は、その時の信号の色が分からないので困る事が多い。そのため、信号の色等を教えてくれるアプリで、誰にとっても使いやすいものを開発してほしい。信号の色等を教えてくれるアプリで簡単に使えるものがあれば、今すぐにでも使ってみたい。
②危険を察知する機器
高校生が考えたスマート盲導杖「みちしる兵衛」というものがある。AIを搭載した白杖で、歩行中に線路や横断歩道、車といった危険を検出・通知し、視覚障害者の歩行を支援するものになる。こういった新技術を活用した白杖を利用するのも安全対策になるのではないか。 次世代移動支援技術開発コンソーシアムが、視覚障害者が自立して街を移動し、日常の活動をスムーズに行うためのナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発を進めている。こういったものを視覚障害者の歩行に活用するのはどうか。
③その他
様々な歩行者支援の技術が開発されているが、これらはナビの精度、機器のサイズ、機器の見た目が重要だと思う。実際に利用する視覚障害者の意見を踏まえながら、開発を進めてほしい。
(4)歩行訓練
弱視者(ロービジョン)への歩行訓練では、保有視力を活用した歩行、新しい道を覚えるためのランドマークの見つけ方、夜間の歩行等を訓練してもらえると嬉しい。目と白杖の感覚の両方を活用するのは結構難しく、状況によって使い分けも必要かと思っている。  

特殊詐欺被害を防止するために

 この度、宮城県警生活安全課の方が協会に来られて、東京都内などで視覚障害者が偽警察詐欺の被害に遭うケースが出てきているので、注意を呼び掛けてもらいたいとの依頼がありました。以下に注意を呼び掛けるチラシの内容を要約します。

(1)よくある手口:「あなたの口座が犯罪に使われている」、「あなたの携帯電話が不正に契約された」、「携帯電話の未納料金がある」などといって指示に従わないと「逮捕される」とか「金融詐欺で逮捕状が出ている」と不安を煽り、金銭などを要求する。
(2)被害にあわないための知識:警察が「逮捕されたくなければ現金を支払え」ということは絶対にありません。 犯人からの電話の約半数は国際電話番号が使用されているので、番号非通知の着信を拒否したり、電話番号を通知不可能な着信の拒否に設定します。各キャリア会社などが提供しているセキュリティー対策アプリを利用する(有料の場合があります)
(3)特殊詐欺電話撃退装置等購入補助金について 宮城県警では特殊詐欺被害の防止を図るため、「特殊詐欺電話撃退装置等」購入費の一部を補助します。主な内容は下記のとおりです。 補助の対象となる機器は、固定電話機又はケーブルなどを接続する方法により固定電話機に外部接続することが可能な機器であり、次の機能を全て有する特殊詐欺等被害の未然防止に資する機器として知事が認めるもの
①電話の着信時、呼出し音が鳴る前に通話内容を録音する旨の警告メッセージを電話の相手方に発する機能
②通話内容を自動で録音する機能
補助の対象となる機器は令和7年4月1日以降に購入したもので、中古品ではなく新品で購入したものであること 補助対象者は、県内に住所を有し、かつ、居住している、申請年度内において満65歳以上の者(以下「高齢者」という。)であること。
③高齢者のみの世帯又は同居しているが、高齢者が電話を受けやすい時間帯のある世帯であること。
④補助金の額は購入費の2分の1の額で7千円を上限とする申請は、宮城県警察本部生活安全部生活安全企画課犯罪抑止対策係へ。 郵送又は持参のみとなります。

警察署での申請受付は行っておりません。
 特殊詐欺に関する相談窓口は最寄りの警察署または、#9110 宮城県警察本部生活安全課企画課 022-221-7171(代表)      

「らくらくホン」の新しい機種が発売

 NTTドコモからケータイ電話らくらくホンの新しい機種F41Fが発売されました。 一般にガラホと呼ばれるもので、これまで3Gというガラケーで使用していた通信方式は2026年3月で終了しますが、この機種はスマホの通信方式でガラケーと同じようにテンキーなどのボタンで操作できます。また、別売りのイヤホンを使ってFMラジオが聴けます。
通話相手のこもった声を聴き取りやすくする機能も加わりました。ドコモのガラホでできることは、電話の発信と着信、メールの送信と受信、SMS、パソコンやスマホのようなWebサイトの閲覧です。  
しかし、ガラホに変更すると、今までのiモード通信が利用できなくなります。したがって、ニュースや天気を見ることのできるiMenuやiチャネルは利用できません。Yahoo!ニュースといった別のWebサイトで代用する必要があります。また、スマホのように新しいアプリをダウンロードすることができません。LINEやズームなどのWeb会議アプリも使えないので注意が必要です。
問い合わせはらくらくホンセンター 電話0120-696-937へ。

視覚障害者情報交流会のお知らせ

視覚障害者情報センター主催による交流会を開催します。申込は不要ですのでお気軽にご参加下さい。

・対象者:視覚に障害のある方(障害者手帳の有無は問いません)、ご家族、その他(視覚障害支援に関心のある方等)
・開催日:
10月14日(火)東松島市 13時~老人福祉センター
10月20日(月)石巻市  13時~ささえあいセンター3階
10月24日(金)多賀城市 13時~多賀城市立図書館2階
10月28日(火)美里町  13時~駅東地域交流センター1階
11月 6日(木)柴田町  13時~柴田町図書館本館2階
11月11日(火)岩沼市  13時~岩沼市民図書館2階
11月13日(木)栗原市  13時~栗原市立図書館2階視聴覚室
 

貸し出します

貸し出しご希望の方は協会事務局 電話022-257-2022へお申し込み下さい。
日視連発行
(1)点字日本  第645号  2025年9月1日発行

内閣府政府広報室発行
(1)点字・大活字広報誌「ふれあいらしんばん」第105号 
  2025年9月発行
内容
①マイナンバーカードと電子証明書の有効期限をご確認ください。通知が届いたらお早めに更新を!
②災害時に命を守る一人ひとりの防災対策
③戸籍にフリガナが記載。自治体からの通知が誤っていたら2026年5月25日までに必ず届出を!
④「118番」は海上保安庁への緊急通報。「もしも」のために知っておこう!

(2)音声公報CD「明日への声」第105号は「ふれあいらしんばん」の内容と同様です。

本の紹介

理事 及川 篤生
書名 ハーバード大学医学部で研究してわかった、「絶対に失敗しない」5つの健康習慣
著者 高橋栄(たかはしさかえ)
サピエに、音声版が登録されています。

 会員の皆さん、こんにちは。協会理事の及川篤生です。
視覚障害のほかに、人工透析もやっている僕の正月に立てる毎年の目標は、今年は、「入院しない」です。そんな目標を目指していますが、ほぼ、毎年何らかの理由で入院しております。今年は8月まで順調だったんですが透析中に急に発熱そのまま入院で1週間ほどお世話になってきました。こんな感じの毎日ですので、サピエでもこれであなたも健康になれるという感じの本を漁っています。残念ながら、当たりを引いたことはないですね。炭水化物の量を減らして体重を落とすというのも、木綿豆腐を主食にしてやってみましたが結果が出なかった。ほとんどの健康本は、空振りに終わるわけですがそんな中でも期待したい1冊を発見!アメリカのハーバード大学の、お墨付き。ハーバード大学は、分かりやすい世界一の大学。ここに騙されたのであれば、もうこれは、仕方がない、聴くだけでも聞いてみました。
 この本を書いた方は、現役の精神科医。ハーバード大学で3年間研究員をされていました。最近は卒業していない大学の卒業証書を持っていたりする人がいたりしますが、この方は現在開業されているのでそういった心配はなさそうです。学歴詐称をしている、どこかの市長は僕の弟の大学の先輩?しかも同じ法学部なので、弟は大学に問い合わせをして、自分の卒業資格を確認したそうです。彼は、きちんと卒業していました。体育会系の人なので、あまり勉強はしていなかったんですが、卒業要件は満たしていたみたいですね。
本題に戻ると、この先生はあまり薬を使うことを推奨していません。認知行動療法で症状を改善していくのが、スタイルです。すでに薬で腹が一杯になる程の処方箋をもらっている僕としては、もう薬は増やしたくない。この辺のニーズと合致しているので採用決定です。この本で改善できるのは、5つの生活習慣、体重を減らす、飲酒量を減らす、EDの改善、不眠症の改善、ストレスの低減、当然僕にふさわしいのは、体重を減らすこと。毎日食べたものを記録する。1週間に150分の有酸素運動、僕の住んでいる子平町は、散歩やウォーキングするには、かなり危険な道路状況、どうするかと考えましたが僕の部屋には洗濯物を干すだけのエアロバイクがあります。これを活用しよう。それと週に2日のチートデイ、好きなものを食べていい日が設定されています。これならやれるかもしれない。これで、エアロバイクも本来の活躍ができる。皆さんも1つ選んでトライしてみてはどうでしょうか?不眠症とかストレスの問題は、結構抱えている人が多そうですし。なんといっても、ハーバード・メソッド、それだけでも、効果があるような気がするのは、僕だけではないと思います。



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